千葉市,美浜区,心療内科【高洲公園心療医院】精神科,神経科,うつ病,統合失調症

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気分障害
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気分障害

感情障害とも言います。気分・感情が高揚する躁状態と、抑制される抑うつ状態があります。疾患では、「うつ病」と、躁とうつを繰り返す「双極性感情障害」が代表的で、躁状態だけの躁病はまれです。


①うつ病

抑うつ症状に伴う様々な精神状態、身体症状が認められます。精神症状としては憂うつ気分、気分の減退、興味・喜びの減退、焦燥感、自分を無価値と考え自分を責める(自責感)、思考力・集中力の減退、決断困難、自殺念慮など、身体症状としては不眠または過眠、疲れやすさ、頭痛・肩こり、動悸、食欲減退あるいは増加に伴う体重減少・増加などが症状の程度に応じて出現します。具体的には朝の起床がつらく布団から出られない、趣味が楽しくなくなった・やる気が出ない、イライラして子供に当たる、仕事に集中できず効率が悪くなる、記憶が悪くなりミスが増える、会話で言葉が浮かばない、食事の献立が浮かばない、会社に迷惑を掛けたので辞めるしかない、死ねば楽になると思う、などの症状・訴えを認めます。

うつ病の病態にはセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質が関与しています。治療には薬物療法と休養が必要です。抑うつ薬は服用後すぐに効果が出る物ではなく、飲み続けることが肝要です。仕事をしている方は仕事量を減らすことと、仕事内容を軽くすることが大切です。症状の程度により自宅療養が必要となります。
発症の男女比は女性に多く、生涯発症率は男性では10人に1人、女性では5人に1人です。


②双極性感情障害(躁うつ病)

うつ病の症状のエピソードと、躁病のエピソードを繰り返す疾病です。躁病エピソードは強いストレスがあるいは日常の些細と思える出来事ときっかけに発症します。感情高揚・刺激性、多弁・多動、行為心迫などの症状が認められます。具体的には気分が爽快とされますが無遠慮で怒りっぽさが目立つことがあります。口数が増えて話が脱線しやすく、話題は次々に変わったりします。誇大的になり、万能感から「自分は経営の神様」などと言って事業を起こしたり、株に大金を投じたりします。思い立つとこれをセーブできません。私のかつての当時30歳代の女性の患者さんは数週間で1,000万円浪費し、これを10年以上の月賦で返済することとなりました。このような激しい躁状態のみられる病態を双極性障害Ⅰ型といいます。軽躁状態とうつ病のエピソードを繰り返す病態は双極性Ⅱ型と言います。

治療は炭酸リチウム、抗てんかん薬、非定型抗精神病薬が用いられますが、病識を欠くことが多く、通院が困難で入院を要することもあります。