①パニック障害
特定の空間や場面(特に直ぐに離れられないような)、例えば、高速道路の運転中である、渋滞路、トンネル、快速電車、エレベーター、美容院、歯科治療場面等で、「動悸、めまい、息苦しさ、過呼吸発作、手足のしびれ」等が出現し、この「不安発作」がまた出たらどうしようという「予測不安」からそれらの場面を避けて行動するようになり、日常生活に支障を来たします。またリラックスしてるはずの就寝時に突然息苦しくなり、死んでしまうのではないかと思い、先にあげた場面同様に、内科や救急外来を受診され、異常はなかったと診断された方も多いと思います。職場での強いストレスでも同様の症状が出ることがあります。
長引くと外出を控え、仕事に行けなくなり、他者との交流を避けてうつ病を併発することもあります。
適切な治療を早期から行うことが肝心です。
②社会(社交)不安障害
他者から注視されることへの恐れから、赤面、動悸、めまい、嘔気、尿意頻回、冷や汗、手のふるえ(人前で字が書けない)、等の症状が起こり、不安が強い状態です。比較的若い時期に始まります。いわゆる「あがり症」ですが、仕事や日常生活に支障を来たす場合は治療が必要です。
③強迫性障害
「鍵を何度もかけたか不安になり確認する」、「手洗いをしすぎる」、
「自分の決めたやり方で物事を進めないと気がすまない」、等が代表的で「自分なりのこだわりが必要以上にエスカレートし、無意味とわかっていながらその考えにとらわれること」を言います。
強迫思考(繰り返し心に浮かぶ観念、衝動)、強迫行為、強迫儀式(その思考を行動に移すこと)がみられます。パニック障害、社会不安障害と同様にSSRIという新規抗うつ薬が有効です。